【終了】第97回二期会オペラ研修所コンサート
2020年11月13日(金)18:30開演 北とぴあ さくらホール
出演:二期会オペラ研修所 成績優秀者17名
ピアノ:木下志寿子
出演者、曲目等、詳細はこちら(東京二期会ホームページ)
http://www.nikikai.net/concert/20201113institute.html
久しぶりの本番は次世代の歌手たちとの共演
新型コロナウィルスの影響で、4月~10月まで予定されていたコンサートやオペラが全て中止および延期となり、演奏活動がままならない状況にありましたが、11月に入りようやくコンサートに出演することができました。
客席数を減らしたり、休憩を二回挟むなど、様々な感染防止対策を施しての公演でした。
コロナ禍でまだまだ落ち着かない中いらしてくださったお客様、最大限の対策に尽力してくださったスタッフ、関係者の皆様、ご指導いただいた先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。
久しぶりの本番で、普段とはまた違った不安や緊張もありましたが、会場でお客様の反応を肌で感じながら演奏し、その空気の中でその瞬間だけ生まれる音楽の尊さを改めて実感することができ、ここに戻って来れたことを心から嬉しく思いました。
最近は無観客上演やオンライン配信なども多く行われ、それはそれで沢山の意義や長所がありますが、やはり同じ空間で音楽を通じて観客と対話できることには特別な喜びがあります。
そして二期会オペラ研修所で切磋琢磨しているフレッシュで勢いのある歌手の皆さんとの共演は、未来への希望に満ちたものでした。
それぞれの個性、持ち物の素晴らしさ、様々な可能性を感じながら、それを伸び伸びと発揮してもらえるよう願いながら弾きました。
若さ溢れる皆さんがこれからどのように成熟し活躍していくのか、とても楽しみです。
今回演奏したのはオペラアリア17曲と二重唱2曲で、ヘンデルからプーランクまで、イタリア、ドイツ、フランスオペラが各種揃ったバラエティ豊かなプログラム。
どのオペラもやはり大好きで、オペラ上演がなかなか難しい世界の状況の中で、この芸術が途絶えることのないよう祈る気持ちが強くなりました。
『ナクソス島のアリアドネ』のコンポニストのアリアの中の、”Musik ist eine heilige Kunst zu versammeln alle Arten von Mut” (音楽はあらゆる勇気を集める神聖な芸術だ)や、『無口な女』のモロズス卿のアリア “Wie schön ist doch die Musik”(音楽とは何と美しいものだろう)などの歌詞が深く心に沁みた夜でした。
研修所では6月から徹底した感染予防対策を取りながら、オンラインを併用した対面授業が行われ、講師陣も研修生も制約のある中で精一杯取り組んでいます。
困難のさなかでも努力を止めることなく、コロナに負けずに前に進みたいと思います。