【終了】「わ」の会コンサートvol.6 Befreiung:解放

2020年12月4日(金)19時開演 調布市文化会館たづくり くすのきホール 

指揮:城谷 正博 演出:太田 麻衣子

ピアノ: 木下 志寿子・三澤 志保(2台ピアノ)

字幕・解説:吉田真

《ラインの黄金》より第1場
ヴォークリンデ:今野 沙知恵 ヴェルグンデ:花房 英里子 フロスヒルデ:藤井 麻美 アルベリヒ:友清 崇

《ワルキューレ》より第3幕第3場
ブリュンヒルデ:池田 香織 ヴォータン:大塚 博章

《タンホイザー》第3幕より
タンホイザー:片寄 純也 エリザベート:小林 厚子 ヴォルフラム:大沼 徹 ヴェーヌス:池田 香織

コロナ禍でのワーグナー

「わ」の会第6回公演、コロナ禍でもなんとか開催することができ、無事終了いたしました。
ご来場いただいたお客様、出演者、スタッフの皆様、誠にありがとうございました。

今回は日本ワーグナー協会創立40周年記念事業でもあり、協会の皆様にも多大なご協力をいただき感謝しております。

当初は盛大な祝祭にしようと、後半は合唱も入れて《神々の黄昏》第2幕全曲を演奏する予定で、それに伴い2台ピアノの構想も生まれました。
ですが、コロナの感染拡大により大人数での公演が難しくなったため、少ない人数で演奏できる曲目に変更することになりました。

様々な制約のある中での開催となりましたが、2台ピアノはそのままに、そして今回は本格的な演出、照明チーム、舞台スタッフもお招きし、ディスタンスを保ちつつも音楽面、演出面ともに充実した公演になったのではと思います。

客席数は半分ほどに減らして行いましたが、沢山のお客様にお越しいただき、いつもにも増して客席からのワーグナー愛を感じました。

巨大なオーケストラ編成のワーグナー作品の上演が難しい状況の中、生のワーグナー演奏に飢えている方々が大勢いらっしゃったようです。
今年初めてのワーグナーを楽しみました、沁みました、というお声を多くいただきました。

「わ」の会の公演にはいつも、バイロイト音楽祭で感じるような、ワーグナーを愛する人たちが集まった連帯感のようなものがあるのですが、今回は特に出演者もお客様も高い集中力を持った中で心が通い合ったような気がして、とても幸せな時間でした。

2台ピアノ豪華版

今回特に嬉しかったのは、なんとも豪華で心強い2台ピアノでの演奏です。

普段は一人で孤軍奮闘しており、ワーグナーの巨大なオーケストラを弾くにはどうしても指が足りないため、やむなく取捨選択をしていました。

今回はオペラの現場や研修所でよくご一緒している三澤志保さんをお招きし、城谷マエストロの編曲のもと、沢山の音を素敵に弾いていただき、厚みが加わりました。
ワーグナーが緻密に書き込んだ珠玉の音の数々をより多く再現でき、オーケストラに近づくことができたのではと思います。

こちらは「わ」の会YouTubeチャンネルより、2台ピアノのリハーサルの様子です↓

こちらは「わ」の会Twitterより↓

https://twitter.com/wa_nokai/status/1326510192603717632?s=21

また、くすのきホールでは、客席の前方数列を取り払って舞台下にピットを作ることができ、今回はそこにピアノ2台を並べての演奏でした。
状態の良いスタインウェイのフルコンが2台あるので、2台ピアノでのオペラ上演にはお勧めです。

これまでの「わ」の会公演では、舞台上の上手の端にピアノを置き、指揮者もその近くで振っていたため、歌手は指揮者を斜めに見ていました。
ピットを作ることにより、指揮者も通常のオペラと同じように真ん中で振ることができ、歌手もよりストレスなく演奏できたようです。

フレッシュなワーグナー歌手たち

今回もう一つ嬉しかったポイントは、フレッシュなラインの乙女たちとの共演です。

今年3月に行ったオーディションで選ばれた、才能豊かな3人がワーグナーに初挑戦。
既に大舞台を経験している実力派揃いで、もともと優秀なのですが、稽古を重ねるごとにワーグナーの音楽や乙女のキャラクターをどんどん理解、吸収、進化して、本番では生き生きとした素晴らしい乙女を演じてくれました。

こちらも「わ」の会YouTubeより、オーディション関連動画です。

このように私たちの経験を未来に繋げていけることは大きな喜びであり、今後「わ」の会は、次世代のワーグナー演奏家の発掘、登用にも力を入れていく予定です。

「わ」の会Facebookにて、公演に関するお知らせや関連情報など随時更新しております。
https://www.facebook.com/wanokai.wagner

今後とも応援の程、どうぞよろしくお願い致します!

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