この夏の活動報告

この夏は琵琶湖、山形、名古屋などでコンサートやオペラの仕事をしてきましたので、ご報告します。

妻屋秀和 バス・リサイタル@びわ湖ホール

7月23日はびわ湖ホールの小ホールで妻屋秀和さんのリサイタル伴奏でした。

曲目は以前予告したものから変更し、前半はモーツァルトとベルカント・オペラのアリア、後半は全てヴェルディのアリアとなりました。

数多くのオペラに出演されていて、沢山の役のレパートリーをお持ちの妻屋さんならではのプログラムです。

前半は通常のコンサート形式でしたが、後半は演技をしながら歌唱する、セミステージ形式。

舞台上には平台が一つあるのみでしたが、それを祭壇に見立てたり、ベットとして使ったり、様々な方法でオペラのシーンを見事に表現されていました。

日常的にオペラの舞台で演じられている妻屋さんにとっては、演技付きのこの形式は普段通りでやりやすいそうです。

迫真の演技と歌唱で、私も弾きながら胸が熱くなりました。

また、曲間には妻屋さんご自身の声で録音された台詞が流れ、次に演奏する曲の心情を語ってから音楽を開始。
曲の内容がより深くお客様に伝わったのではないかと思います。

本番中の舞台の様子はびわ湖ホールさんのTwitterに掲載されています。

びわ湖ホールの小ホールで演奏するのは初めてでしたが、とても響きの良い素晴らしいホールでした。

いつも本番前は緊張する私ですが、穏やかな琵琶湖の景色に癒され、リラックスして臨むことができました。

SUMMER CONCERT@山形

8月11日は山形市民会館小ホールにてサマーコンサートに出演しました。

二期会研修所の小森輝彦クラス出身で、山形在住の大江桃子さんの発案で実現したコンサート。

小森クラス同期の小谷美佳さん、亀山泰地さん、山形在住の佐藤匠悟さん、土田拓志さんが加わり、賑やかな公演となりました。

山形に到着

コンサートの前半はカンツォーネ・メドレーに始まり、オペレッタ《ほほえみの国》のアリア、R.シュトラウスの歌曲、《ドン・カルロ》や《アラベラ》の二重唱を演奏、そして後半はオペレッタ《こうもり》抜粋でした。

皆さんのフレッシュな美声と歌唱、お芝居で盛り上がり、アンコールは「里の秋」の重唱でしっとりと締めくくりました。

終演後、右から土田拓志さん、亀山泰地さん、小谷美佳さん、大江桃子さん、佐藤匠悟さん

私は今回が初めての山形訪問だったのですが、温かく迎えていただき、美味しいものも多く、とても楽しい滞在となりました。

愛知祝祭管弦楽団 「トリスタンとイゾルデ」

その翌週は名古屋で、愛知祝祭管弦楽団「トリスタンとイゾルデ」のマエストロ音楽稽古に参加。
演奏会形式、全三幕公演のためのピアノ稽古です。

いつも新国立劇場でお世話になっている三澤洋史先生の指揮で、全曲を弾きました。

三澤先生はドイツ在住歴が長く、バイロイトでもお仕事をされていたので、ドイツ語やワーグナー歌唱の発語法をよくご存じです。
先生のアドバイスで言葉が明瞭になり、その時々の各役の心情に沿った表現になっていく過程が印象的でした。

今回初めてトリスタンを歌われる小原啓楼さんとは、他のオペラの現場や二期会研修所でもご一緒していますが、強い信念を持って音楽やテクニックを追求される方です。

トリスタン役の歌唱部分は凄まじく膨大な量で、本当に大変です。
今回ノーカット上演なので、2幕2場前半の難しい部分も全てあり、2幕まででもかなりの量ですが、更に3幕1場・2場は長時間歌い続ける耐久レース。

ですが、小原さんは確かなテクニックで終始良いお声、ブレスコントロールも素晴らしく、この難役を安定して美しく、かつ情熱的に歌われています。
スタイリッシュな新しいトリスタン像だと感じました。

こちらの公演は明後日開催、配信もあるそうです。

詳細は愛知祝祭管弦楽団のホームページへ↓
https://parsifal2013.jimdofree.com/

これまでも数多くのワーグナー楽劇に取り組まれ、精力的な活動をされている愛知祝祭管弦楽団さんとのご縁を嬉しく思います。
ワーグナーの輪が広がっています。

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