【終了】二期会サロンコンサート Vol.208

2021年1月28日(木) 16:30開演/19:00開演(2回公演)

カワイ表参道コンサートサロン パウゼ

藤野沙優(S)、川合ひとみ(Ms)、小林由樹(Br)、木下志寿子(Pf)

二期会コンサートラインアップのページ
http://www.nikikai.net/concert/salon2020.html#208

サロンでオペラ特集

二期会サロンコンサート Vol.208、無事終了いたしました。

緊急事態宣言下の厳しい状況の中にあり、また雪も降る寒い一日となりましたが、ご来場くださったお客様、沢山のご協力をいただいた共演者、スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1日2回公演に分け、各回とも客席数をを60席(50%以下)とし、休憩なし約60分のプログラムで開催いたしました。

サロンという空間の中でも、演奏者とお客様との距離やお席の間隔を出来る限り保ち、最前列のお客様にはフェイスシールドをお配りするなど、様々な対策を実施しました。

今回、サロンコンサートとしては珍しく、オペラ・アリアと重唱のみを集めたプログラムでした。

当初は前半歌曲、後半オペラの長いプログラムを考えていましたが、コロナ対策で1時間に短縮することになりました。

その際に、今回のメンバーの魅力を最大限に生かせるのはオペラではないかということで、後半のオペラのみを残すことになり、オールオペラ・プログラムが生まれたのです。

ふくよかで深みのあるお声の沙優さんのワーグナー、チャーミングで表現豊かなひとみさんのロッシーニ、エレガントで色気溢れる由樹さんのモーツァルト、そしてこのメンバーの化学反応による、ベルカントやヴェルディの重唱の数々。

魅力的なキャラクターが交わり、オペラの楽しさが凝縮された時間になったのではと思います。
私自身も馴染みと愛着のあるオペラばかりで、素敵な共演者の皆さんと楽しく熱く作品を分かち合うことができました。

1日2回公演の楽しみ

そして1日2回公演ということで、出演者皆でアイデアを出し合い、各回で衣装を変えることにしました。

16時半からの回はブルー系のグラデーションで鮮やかに。
日中で窓から外の光も入っていましたので、明るく柔らかい雰囲気になったのではと思います。

19時開演の回は対照的に、夜の帳に合わせてシックに全員黒で統一してみました。
同じ会場、同じプログラムでも、衣装が変わると空気も変わるような気がします。
落ち着いた、大人っぽい空間になったように感じました。

1日のうちに2回同じプログラムで本番を行うことはこれまでほとんどありませんでしたので、貴重な体験でした。

人間ですから、時間帯によっても、その時のお客様の反応によっても、感覚や心持ちが変わります。

ペース配分、テンションのコントロールなど、普段とは違った難しさもありましたが、1回目に感じたことを2回目に生かせたり、会場の響きやピアノの特性にも馴染んだり、各回の一期一会を感じながら微細な変化を楽しむことができました。

コロナ禍での準備期間

コンサートの準備を進める中でも、コロナ禍の影響が色々とありました。

まず対面での打ち合わせを避けるため、オンラインでの顔合わせ、座談会を行いました。

今回ご一緒したソプラノの藤野沙優さんはライターとしてもご活躍で、ご自身のインタビューサイト「ヒューマンインタビュー」を運営されています。
そのサイトで、オンライン座談会の様子を記事にして紹介してくださいました。

ヒューマンインタビュー第9回
「歌う喜び、明日の楽しみ」
https://humaninterview.themedia.jp/posts/11886029

とても明るく気さくなメンバーで、本番に向けてあれこれ相談するのも楽しい時間でした。

また沙優さんには、個人的にもインタビューしていただき、素晴らしい記事にまとめていただきましたので、ぜひご覧ください。

ヒューマンインタビュー第10回
コレペティトールとしての矜持
https://humaninterview.themedia.jp/posts/12473313/

対面でのリハーサルは、細心の注意を払って2回行いました。
マスクの着用、短時間ごとのこまめな換気、そしてアクリル板パーテーションの使用による飛沫防止対策。

重唱の際には歌手同士は距離を保ったまま近づかず、向き合わず、基本的に正面を向いて歌うスタイルで演奏しました。

相手をほとんど見ることなくオペラの対話を成立させるのは、さぞかし難しいことと思いますが、歌唱表現とちょっとした目線や仕草でしっかりとドラマを作られていて、皆さん流石のテクニックでした。

コロナ禍ならではの環境や制約の中で苦労もありますが、新たなやり方、新たな挑戦が生まれ、そこから得られるものも多いと感じています。

今回の二期会サロンコンサート Vol.208に続き、3月4日にはVol.209にも出演予定です。
予告記事はこちら

Vol.209は歌曲多めで、全く違った趣向のプログラムとなっております。

次回も無事開催できるよう祈りつつ、オペラとはまた違った世界観を楽しみながら、作品の持つメッセージを大切に研究していきたいと思います。

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